不妊の原因は、男性側にある可能性もあります。

確率でいえば、夫婦ともに50パーセントずつです。

しかし実際は、女性だけが足しげく不妊治療や検査に通い、後から旦那さんのほうに原因があったと判明することもあります。

なるべく早めに旦那さんにも検査に参加してもらうことで、時間とお金を節約することができるでしょう。


■精子の異常による男性不妊

男性不妊でまず考えられるのは、精子に何らかの異常があるケースです。

たとえば精子の数が少ない「精子減少症」や、まったく精子がいない「無精子症」、精子はいるが受精能力がない、もしくは死んでいる「精子死滅症」、精子の数が異常に多い「精子過剰症」などが代表的です。

さまざまな原因が考えられます。

先天的な染色体異常による場合もありますし、成人になってからのおたふく風邪がきっかけとなることもあります。

また、生まれつき睾丸が陰嚢に降りてきていない「停留睾丸」という状態のこともあります。

通常、男の子の胎児では睾丸がおなかにあり、生まれるまでに陰嚢に下がってくるのですが、何らかの理由で片方もしくは両方が途中で止まってしまうのが「停留睾丸」です。

睾丸は熱に弱いため、体温の高い腹部にとどまってしまうと精子の産生能力が低下し、不妊症となる可能性があります。

いずれも検査で分かることですので、ぜひ旦那さんにも協力してもらいましょう。


■その他の男性不妊

精子に異常がなかったとしても、精管や尿道といった精子の通り道が炎症を起こすなどして狭くなっていると、不妊症になってしまいます。

女性において、排卵があっても卵管が詰まっていると、卵子がうまく移動できないのと同じです。

生まれつき尿道が細い男性では、精液の多くが膀胱へと逆流してしまい、尿として体外へ排出されてしまうことがあります。

このような場合は、精子自体に問題がなければ体外受精などで良い結果を得られることも多いでしょう。

その他、勃起障害や射精障害も男性不妊の1つです。

血流の悪さや、性的興奮を伝える神経系に障害があるなど、さまざまな原因が考えられますが、精神的な問題が関わっていることもあります。

どんな原因であれ、男性にとって不妊治療に参加することは勇気と覚悟が要ることは確かです。

女性側はそれを理解し、決して攻撃的にならずに協力してもらうことも大切といえるでしょう。