喘息の治療に使われる薬は、大きく2つに分類されます。

発作時に使うものと、予防目的で使うものです。

これらを使い分けて上手に発作をコントロールすることが大切になります。


■発作時と安定期に使う薬

発作が起きている場合は、即効性があり効果の短い薬が有効です。

もっとも代表的なのが、気管支拡張剤であるβ2遮断薬の吸入で、ハンドネブライザーで使用します。

サルタノール、ベロテックなどがβ2遮断薬になります。

その他、気管支の炎症を強力に抑える、アルデシンやベコタイドなどのステロイド薬の内服や注射もありますし、
気管支を拡張し、抗炎症作用もあるテオドールなどのキサンチン製剤も用いられます。

いつ発作が起きてもいいように、携帯しておくことが大切です。

一方、安定期と呼ばれる発作のない時期でも継続的に薬を使い、発作を予防することも非常に重要です。

長時間作用型の吸入ステロイド薬を中心として、インタールやザジテンなどの抗アレルギー薬もあります。

発作がなくても毎日使用しましょう。

また人によっては漢方薬をとり入れることもあります。


■薬のタイプによるメリットとデメリット

最近の喘息治療薬は、飲み薬から吸入薬へとシフトしています。

ただしスプレー式の吸入器は、薬の噴霧と吸入のタイミングを合わせるのが意外と難しいため、補助器具であるスペーサーの使用が有効です。

また最近ではドライパウダー式の吸入器が注目を集めています。

粉末状の薬を専用の機器で吸いこむもので、これならスペーサーなしでも簡単に吸入できますし、数十回分を納められますので手間いらずです。

吸入薬のメリットは、うまく使えれば肺に直接薬が届くため少量で効果があり、副作用が少なく済むことが挙げられます。

内服薬は飲むだけですので簡単ですが、小児の場合は飲んでくれないなどの問題が生じることがあるでしょう。

静脈注射や皮下注射は即効性もあり、効果も高いのですが、自宅でおこなえない点がデメリットです。

喘息の外用薬としては、皮膚に貼るテープタイプが主流です。

薬や吸入を嫌がる子どもには使いやすいメリットがあります。