座薬と並んで広く使用されている痔の治療薬が、軟膏です。
患部に塗るものと注入するもの、もしくはどちらにも使えるものもあります。
内痔核には注入し、外痔核や裂肛(切れ痔)には塗るのが一般的です。
■いぼ痔の場合
肛門の奥のほうにできている内痔核の場合は、基本的に座薬のほうが用いられますが、注入軟膏も使うことができます。
また、いぼが脱肛した際には、炎症を抑えてくれるステロイド入りの軟膏が効果的です。
肛門の外側にできる外痔核は、軟膏がメインとなります。
痛みをともなう場合や、急に腫れた場合はステロイド軟膏がおすすめです。
特に痛みの強い時は、鎮痛作用のある内服薬を併用しましょう。
■切れ痔の場合
肛門付近の皮膚が切れる切れ痔には、基本的に非ステロイド軟膏を使用します。
鎮痛剤や、傷の治りを促進してくれる成分を含んだ軟膏を選びましょう。
切れ痔では痛みとともに、かゆみを感じることも多いため、抗ヒスタミン剤などのかゆみ止め成分が入ったものも多くみられます。
■注入軟膏の使い方
注入軟膏は、軟膏でありながら座薬のように肛門の中に入れられるものです。
1つひとつ独立したパッケージに入っており、ノズルがついています。
外出時にも携帯しやすいでしょう。
内痔核の場合は注入して使いますし、外痔核や切れ痔にはそのまま塗り薬として使用できるものがほとんどです。
まずはキャップをとったら、潤滑のために軟膏を少しだけ出しましょう。
そのまま先端部分を肛門内に挿入し、ノズルの付け根まで入れます。
軟膏を押し出し、空っぽになったら押したままの状態で引き抜きます。
一度使ったものは、たとえ残っていても再度使用してはいけません。
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