セックスレスは、立派な離婚事由に該当することがあります。

ほとんどのカップルは協議離婚をしますが、場合によっては裁判となり、そこでセックスレスについても大きく扱われることがあるのです。

中には慰謝料の請求を認められたケースも何例かあります。


■セックスレスはなぜ離婚の原因になるのか?

セックスレスが離婚事由として認められる理由の1つが「夫婦の信頼関係」の問題です。

せっかく夫婦になったのに、セックスどころかキスやボディタッチまで拒まれて思い悩んでいる人が実際たくさんいます。

さらに何度相手に相談や説得をしても、けんもほろろに冷たくあしらわれる。

これでは夫婦間の愛情や信頼は失われてしまうでしょう。

また、セックスレスは浮気の原因になりやすいことも大きな問題です。

セックスを拒まれた側が、寂しさやもてあました性欲から浮気に走ることもありますし、拒んでいる側が実は他にパートナーを作っていた、ということもあり得ます。

調停になった場合、浮気とセックスレスのどちらが先に起こったのかが論点になることもありますが、いずれにせよ両者には密接な関係があるのは明らかです。

お互いに性交渉がなくても愛情をもって夫婦生活を維持できればいいのですが、実際は両方もしくはどちらかが不満を抱え込んでいることも多いのです。


■実際に慰謝料を請求できたケースとは?

セックスレスが原因の離婚で、慰謝料が発生した判例がいくつかあります。

平成5年に福岡の高等裁判所で起こった裁判では、入籍してから5か月間で性交渉が2~3回のみ、その後は拒み続けた夫に対して120万円の慰謝料が認められました。

また平成19年に東京地方裁判所で起こった裁判では、婚姻期間中まったく性交渉をもたなかった相手に対して100万円の慰謝料請求が認められましたし、もっとも高額な慰謝料としては平成2年に京都の地方裁判所で起きた裁判において、3ヶ月の婚姻期間中に1度も性交渉をもたなかった夫に対して500万の支払い義務が認められています。

ただし、全体的には性交拒否に加えて言葉の暴力や無視といったプラスアルファがあったケースが多く、セックスレスだけでは事由としては弱いかもしれません。

また、病気や高齢などによる性交不能は、もちろん対象外です。

しかし、夫婦にとってセックスレスは重大な問題であることが分かります。


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