腸内にいる細菌などによって作られ、通常は欠乏することはほとんどありませんが、何らかの原因で足りなくなると免疫機能に異常が生じ、皮膚や骨が正常に作られなくなる可能性があります。
乾癬患者さんの血液を調べると、このビオチンの濃度が低いことが多く、外から摂取することで効果があると考えられています。
■ビオチン療法とは?
ビオチンが不足すると、皮膚や骨を作るために欠かせないコラーゲンや、皮膚のバリア機能にかかわるセラミドなどがうまく作られなくなってしまいます。
血液検査においてビオチン欠乏のみられる患者さんは、積極的に摂取することで症状の進行を抑えられる可能性があります。
ビオチンはビタミンの一種ですので、普通にサプリメントとしても売られています。
薬局やネットなどで手に入れて、治療の補助に役立てましょう。
サプリよりも効率的に体内に吸収するなら、食材からもぜひ摂取を。
ビオチンは牛・鶏・豚のレバーや、魚介類、豆類、卵黄などに多く含まれます。
またビオチンの散剤(粉薬)もありますし、注射をおこなっている病院もあります。
料金も安価ですので、一度相談してみましょう。
■ビオチン療法の注意点
ビオチンは腸内でつねに生成されるビタミンのため、副作用のない点がメリットです。
過剰摂取による健康被害も、今のところ報告されていないようですが、動物実験では胎児に集中してしまい、催奇性につながったと報告されているため妊娠中などは適度な摂取が必要かもしれません。
またビオチン療法は即効性があるものではなく、ある程度長い期間続けることが基本ですので、長期的な摂取を心がけたいところです。
ちなみにビオチンは、過度の飲酒や喫煙によって壊されやすいことが分かっています。