乾癬では、全身のいたるところで皮膚が赤くなって盛り上がった状態となり、その表面にかさぶたのように白い角質が付着するのが、典型的な症状です。


進行すると、発疹の数が増え、他の発疹とくっついて大きくなっていきます。


どのように乾癬が起こるのかを見ていきましょう。



■乾癬が起こるメカニズム


乾癬の患部では、皮膚の新陳代謝のサイクルが非常に短くなっています。


通常は、約45日のサイクルでターンオーバーをくり返しますが、乾癬の患者さんでは、4~5日と、約10分の1にまで短くなっており、角化細胞が激しく入れ替わることで、かさぶたのようにたまっていくのです。


さらに、血中の白血球や、TNF-αという炎症を引き起こす物質が増え、皮膚が赤くなったり、かゆみをともなったりします。



■遺伝的要素が大きい


もともと乾癬は白色人種に多く、遺伝子の解析でも、いくつかの原因遺伝子が特定されています。


現在では、乾癬は関節リウマチと同じく、TNF-αを産生する「Th17細胞」による慢性疾患の1つと捉えられつつあります。


そのため、治療でも抗TNF-α抗体である、インフリキシマブやアダリムマブが治療薬として認可され、2010年より日本でも乾癬治療の一環として、注射や点滴で投与されるようになりました。


遺伝的要素のほかにも、日々のストレスといった外的な要因のほか、肥満や糖尿病、高脂質症などの生活習慣病も引き金の1つと考えられており、生活を改善することも欠かせないとされています。


紫外線不足も一因とされ、光線療法と同じく、日光浴が推奨されています。