「咳が止まらないけれど、ただ風邪をこじらせただけだろう」
と軽く考えるのは危険です。

もしかしたら喘息の可能性があります。

喘息はウイルスや細菌の有無などで判断できるものではないため、
正確な診断を下すためには、問診をはじめとしてさまざまな検査を
受けることになります。


■診断のためにおこなわれる各種検査

喘息の最大の特徴といえるのが、喘鳴(ぜんめい)という症状です。

発作時に胸がヒューヒューと鳴るもので、これがあれば
喘息の診断は容易につきます。

しかし発症から早期段階の場合は、
この喘鳴がまだそれほどみられないことも
ありますので、喘息かどうかを調べるために
色々な検査がおこなわれます。

1.呼吸機能検査(スパイロメトリー)

呼吸機能を調べるための基本的な検査です。

息を思い切り吸って吐き、肺活量や時間、呼吸スピードなどを機械で測定します。

最初の1秒間に吐いた息の量(FEV1)は、
喘息の重症度をはかるための基準になります。

一般的に60パーセントを下回ると、重症と診断されます。

2.ピークフローメーター

息を思い切り吐きだした時の最大の呼吸スピードを
「ピークフロー」と呼び、喘息患者さんではこの数値が低いことが通常です。

ピークフローメーターは自宅で活用することもできますので、
定期的な自己管理のためにも広く用いられています。

3.気道過敏性試験

あえて喘息の発作を起こしやすくする薬を使い、低濃度から開始して
どの程度の濃度で発作が起きるかを調べることで、気道の過敏性を測定します。

重症な患者さんほど過敏性は高くなります。

発作を起こす検査ですので、大きな医療機関で受けると安心です。

4.血液検査

アレルゲンを調べるためにおこなわれます。

RAST法とMAST法という2つの方式がありますが、いずれも血液と
アレルゲンを反応させ、抗体が検出されるかどうかを確認します。

大人の喘息では、アレルゲンの特定できない「非アトピー型」も多くみられます。

上記のほかにも、胸部のレントゲンや心電図、エコー、CT、気管支鏡検査などが
必要に応じておこなわれます。