喘息の発作は、その症状の程度から「小発作・中発作・大発作」の3段階に分かれます。
症状が重い場合、意識障害や呼吸困難で死亡することもありますので要注意です。
特に小児の場合は急激に悪化することがあるため、普段から服薬で発作を予防するとともに、親が発作の前触れをしっかり把握して早めに対処することが大切になります。
■喘息発作の治療の基本
発作の程度は、おもに呼吸は苦しいが横になることができる「小発作」と、呼吸困難で横になれないが動くことはできる「中発作」、そして呼吸困難で動くことができない「大発作」の3つがあります。
大発作では会話もほぼ単語のみとなり、酸素飽和度も90パーセント以下になることが多いですので、早急な処置が必要です。
軽度の初期治療としては、まずやβ2刺激薬および酸素の吸入がおこなわれます。
酸素飽和度は92パーセント以上となるようコントロールが必要です。
初期治療で改善できない場合、もしくは中発作以上のケースではさらにステロイド薬の点滴が追加されます。
それでもなお2時間経過しても症状が良くならない場合は入院が検討されます。
大発作では、ステロイドに加えてマグネシウムなどの静脈注入も効果が認められるとされています。
発作の大小に関わらず、窒息のリスク因子がある場合は入院を考えましょう。
リスクが高いのは、ステロイド薬の全身投与を受けている、もしくは中止したばかりの人や、過去1年間に喘息発作によって入院や救急受診をしたことのある人、β2刺激薬を常用している人、普段しっかり治療をおこなっていない人などが該当します。
■発作が起こった時にチェックすべきこと
発作が起きた場合、家族や近くにいる人が落ち着いて様子を確認することが大切です。
急を要するのは、チアノーゼという、血液の酸素濃度が低下して皮膚やくちびるが紫になる症状がみられる場合です。
それがない限りは、まずは慌てず対処しましょう。
呼吸の様子や意識状態、動くことはできるかどうか、など。
また呼吸の状態を測るピークフローメーターがある場合は活用して、数値がどうなっているかを調べます。
80パーセントを切ると要注意、50パーセントを切ると危険な状態です。
またアトピー型喘息の場合は、1回発作が起きた3~6時間後に2回目の発作が起こる「遅発型反応」がみられることがあります。
発作のパターンを把握しておくことも大切といえるでしょう。
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上手な喘息発作の対処法
喘息の発作は、起こっている人も見ている人もつらいものです。
いざという時あわてないよう、普段から知識を身につけて
うまく対処できるようにしましょう。
家族や周りにいる人は、患者さんの様子をしっかり見守り、
必要に応じて救急受診させるようにしましょう。
■まず実践しておきたいこと
特に初めて喘息発作が起こった時には、
本人も家族もパニックになりやすいものです。
しかし不安感やストレスは、喘息をさらに悪化させてしまいますので、
まずは落ち着くことを第一としましょう。
周りにいる人が落ち着いていれば、患者さんも安心です。
処方された発作時の薬を使用し、様子を見ましょう。
姿勢としては、横になるより起き上がっているほうがラクです。
また普段から腹式呼吸を練習しておきましょう。
息をゆっくり3つカウントしながら吸い込み、
倍の6つカウントしながら吐きます。
胸ではなく、おなかがしっかり膨らんだり凹んだりするのを確認しましょう。
肩は上下に動かないようにします。
いざという時、この呼吸法が役立つはずです。
■こんな時は受診を
β2刺激薬を使用しても効果がみられない場合や、
すぐにまた発作が起こる場合は、それ以上使用せずにすみやかに受診しましょう。
ヒューヒュー、ゼーゼーいう喘鳴がひどく、会話もできない場合や、
明らかにいつもと様子がおかしい場合は、ためらっている暇はありません。
意識を失ったり、唇が紫になるなどのチアノーゼがみられた場合、
息苦しさから錯乱状態となっている場合も、救急車を呼ぶべき症状です。
喘息発作による死は、その多くが薬を何度も使用して
様子を見ようとしたために受診が遅れたケースになります。
処方されている薬を一通り使っても改善されない場合は、
かならず中断して救急隊員や医療機関にその旨を伝えてください。
特に喘息発作は夜間に起こることが多いため、
本当に必要な時には迷わず救急車に頼ることも大切です。
また普段から、かかりつけの病院や、
その日の救急病院の電話番号などを
チェックしておくことも役立つでしょう。