喘息は、大きく分けると「気管支喘息」と「心臓性喘息」があります。

心臓性喘息は、高血圧や狭心症、心筋梗塞などによる心不全が原因で起こりますが、一般的に喘息というと、
気管支喘息を指すことが多いでしょう。

気管支喘息も、その原因によってアトピー型と非アトピー型に分かれます。

発作が起こると、場合によっては呼吸困難になることもあるため適切な治療が大切です。


■気管支喘息とは?

幼児期に発症することの多いアトピー型と、40代以降の発症が多い非アトピー型があります。

いずれも息をするとゼーゼー、ヒューヒューといった音がして、呼吸が苦しくなり、ひどく咳き込むことの多い病気です。

人によって、子どもの時に発症した喘息がそのまま大人になっても続く場合と、大人になって初めて発症する場合、もしくは子どものころ一度治った喘息が再び発症する場合などがあります。

小児喘息では、約9割がアレルゲンを特定できるアトピー型ですが、成人の場合は2~3割がアレルゲンを特定できない非アトピー型となります。

アレルゲンとしては、ダニやハウスダストなどが代表的です。

原因物質が体内に入ることでアレルギー反応が起こり、これが長期間にわたって続くことで気管支は慢性的に炎症を起こします。

炎症を起こしている気管支は過敏になっているため、冷たい空気を吸い込んだり急激な運動をしたりすると、咳き込んでしまうようになります。

また慢性炎症を起こしている気管支では、痰がたくさん出てきます。

それによって気管支は狭くなっていき、喘息症状が悪化しやすくなります。


■気管支喘息の治療

治療としては、まずアレルゲンが特定されている場合はそれを除去すること、そして炎症によって過敏になったり
狭くなったりしている気管支を薬で改善することが主になります。

いわば根治させるというよりはコントロールすることが大切であり、発作を起こさないようにするのです。

発作のない時でも予防的に使用する薬と、発作時に使用する薬とを併用しながら、症状をコントロールしていきます。

抗アレルギー薬のほか、炎症を抑える吸入ステロイド薬、気管支を広くして痰を出しやすくするβ2刺激薬などが代表的です。

発作の程度によっては、意識を失ったり呼吸が停止したりすることもありますので、決められた薬を使うことはもちろん、いざという場合は受診のタイミングを逃さないことも大変重要です。