緑内障と白内障は、病名は似ていますが、その病態はかなり異なります。

しかし両方を併発する患者さんも少なくありませんので、その場合はどちらの治療もできる手術を選択することがあります。



■白内障は失明のリスクが少ない

白内障は、水晶体が濁ることで目が見えにくくなる病気です。

水晶体はカメラでいうとレンズのような役割をしていますが、何らかの理由で光をうまく通せなくなると、ぼやけて見えるようになります。

緑内障と異なり、視力の低下がみられるのが特徴です。

一度濁った水晶体は元に戻すことができませんが、網膜や視神経までがダメージを受けるわけではないため、失明の確率は少ないのが現状です。

深刻度ということでいえば、緑内障のほうが高いとされています。

また白内障になると、ぼやけて見えるだけではなく光が散乱するためにまぶしくて見えにくいといった症状も起こります。

白内障による視力低下は、手術によって回復が可能です。



■緑内障と白内障の同時手術

緑内障と白内障は、どちらも加齢にともなって多く発症する病気であるため併発しやすいことでも知られています。

緑内障の患者さんに白内障が起こると、水晶体の濁りによる変化が顕著です。

すでに緑内障によって視野が狭くなっていることで、白内障による視力低下が強く感じるようになります。

同時手術をおこなう目安としては、手術を必要とする緑内障があり、さらに白内障によって視力低下がみられることが挙げられます。

その他、白内障の手術によって眼圧が上昇する可能性があり、緑内障をより悪化させるリスクが考えられる時も対象となります。

通常はトラベクレクトミー(線維柱帯切除術)と、白内障の手術を同時におこないますが、緑内障の目には白内障の手術をしにくいのも事実です。

ただし成功すれば、眼圧低下と視力回復のどちらも実現できるメリットがあります。

同時手術が難しいと判断された場合は、まず緑内障の手術をおこなった後で眼圧が安定してから、あらためて白内障手術をおこなうこともあります。


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